先生とアタシの接点
ファミレスにも街中にも沢山の男女1組がいる。

アタシは1組の男女を見ると、勝手にカップルだと思っちゃう。

例え一時の期間でも毎日同じ男女が一緒にいたからカップルに見えたかな?

そんな風に見えた瞬間が一瞬でもあったら嬉しいな。


会話もたまには途切れる。

会話が途切れるなんて、普通によくあることなんだけど、『途切れた』って気がついた瞬間、優人がどんなに笑っていても、アタシの目には寂しい顔として映る。

その瞬間は苦しかった。

でも、優人のキモチは痛い程よく分かるからアタシは絶対逃げなかった。


聴き慣れた声が聴けなくて、見慣れた笑顔ももう見れない。泣いても慰めて貰えない。

大切な人を失ったら、やりたくてもできない事は沢山ある。

…考えたらきりがない。

優人の寂しい顔を見ると、同時にアタシも両親を思い出して泣きそうになる。


友達としてだけど、あの時の寂しい顔を忘れられるようにいっぱい話した。

バイトで貰ったポテトの事、好きな食べ物、テレビの話…。まだまだある。

優人を元気付ける為だったけど、私も元気付けられた気がするくらい楽しかった。



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