先生とアタシの接点
アタシは隣に座る優人が視界に入らないようにベンチから立ち上がった。
ほんの少しだけ緊張が緩んで、静かに深呼吸した。
心拍数が自分の体全体に響いてるのが分かる。
「もうすぐ優人も…仕事復帰するでしょ?春休み終わったら…会えなく…なっちゃうのかな……」
「そうだなぁ~。毎日会ってたからちょっと寂しくなるな…。
俺も香織も忙しいからそれどころじゃなくなっちゃうんじゃないか?
せっかく友達になったんだから、落ち着いたら休みの日に遊ぼうか?」
優人も寂しいって思ってくれた事が嬉しい反面、『友達』っていう言葉に思わず涙が出てきた。
そんなの当たり前なのに。
何も言葉を返さないアタシの肩に優人の手が触れた。
「ん!?泣いてんの?なんかマズイ事言った?。」
違う。違うよ。
「優人…悪くない。アタシが勝手に泣いてるの…。アタシね、好きな人できたけど…その相手、…優人なの…。だから…優人悪くない。」
…やっと言えたのに優人を見れない。自己嫌悪。
『片思い』を選べばよかったのかな…?
熱い涙が迷う事なく溢れてくる。止まらない。