先生とアタシの接点
カラダに絡み付いてる優人の腕が少し緩くなって、優人と斜めにカラダが重なった。
優人の顔がアタシの顔のすぐ横にきた。
…近い。近すぎて言葉も出ないよ…。
優人はそのまま喋りだした。
「ついでって何なんだけど…俺も話していい?」
「うん。」
普通にしゃべってるのに、近いと大きく聞こえる。
アタシの耳はスピーカーから音を聞いているかのような感覚。
優人の声と言葉はどんなに短くても長くても、頭の中で勝手に木霊しちゃう。
「俺も…香織の事好きなんだってこの前、気付いたんだ。でも…」
今『好き』って…言った?
信じていい…よね?…『でも』って…過去形?
すごく嬉しいのに、『でも』の一言が気になって気持ちよく喜べない。
「あんな風に話し掛けた後じゃ、それが目的だったみたいで言い難いって言うか…
『嫌われたくない』とか友達でもなくなったりするのが怖くて、言えなかった…。」
今は大好きだけど、優人が言ってる意味もなんとなく理解できる。