先生とアタシの接点

「おはようございま～す。」

「おはよう！山根さん。今日からよろしくね。私は真辺加奈、こちらは加納優衣。私達オバサンだから、若い子と働くのは新鮮だわ～。」

「高校生ってやっぱりイキイキしてるわね。私も戻りた～い！よろしくね、山根さん。」

「オバサンだなんて…そんな～。真辺さん、加納さん、よろしくお願いします。」

そんな挨拶が終わると少しづつ混みはじめた。


やがて一番忙しい昼のピークも瞬く間に過ぎ去り、気が付けば真辺さんも加納さんも上がって見慣れたメンバーがいた。

そう思ったのも束の間。


最後のお客さん。男性。20代半ばくらいだろうか…。メガネをかけて優しい瞳をしている。

優しい瞳の男性のお会計をして、接客として学んだ笑顔を向けた。

あっちはビックリしたみたいだったけど、次の瞬間、

「山根さんって今日はもうお仕事終わり？待ってるから俺と話さない？」

って話しかけられた。店員にナンパかよ？って思ったけど、やや控えめ。店員という都合上、お客さんであるその人に普段通りの態度を示すこともできず、早く会話を終わらせる事だけを考えた結果、


「いえっ…　　あのっ…すぐ終わるんで待っててください。」

口から出てきた台詞がこれだった。