先生とアタシの接点
―帰り道―<香織side>
頭が少しクラクラして、支えがなくなったアタシの体はよろめいた。
「あ゛!!っっと…大丈夫かぁ~?」
そう言って優人は慌ててアタシの両腕を掴んで支えてくれた。
「あ、うん…。泣きすぎて疲れちゃった…。えへへっ…。」
「良かった~。てっきり気ぃ失ったかと思ってヒヤヒヤしたよ…。
あっ…明日も…バイト?何時まで?」
「夕方の五時までだよ。来てくれるの?」
「あぁ。バイトの後…どっか行くか?…初デートで」
『デート』?その言葉にアタシの体はまたしても敏感に反応した。
…顔が熱い…鏡を見なくてもどんな状態かハッキリ分かる。
「え?!デート?…どこ…行くの?」
もうドキドキし過ぎて、ロボット会話に逆戻り。
…もう『どこへでも連れてって』って体が叫んでる。
「飯食って…映画でも行く?」
「行くっ!」
…『デート』って行く前からこんなにドキドキするの?
誰にも答えを求められない素朴な疑問は頭の中をぐるぐる回る。
はぁ~…明日の今頃は優人とデートしてるんだ…。考えただけで血が騒ぐよ…。