先生とアタシの接点
「タクシー代なら俺が出すから気にすんなよ。いくらチャリでもこの時間じゃ危なくて一人で帰らせられないよ。」
アタシが悪いけど、これ以上反論したら喧嘩になっちゃうかもしれないよね…。
「…うん。分かった…。ごめんね。」
それでも曇ったままのアタシの顔を見て、優人が言った。
「何?時間気にしてんの?ちょっと長かったけど、俺は香織とくっついていられて、めちゃくちゃ幸せ感じてたよ?」
…幸せ?優人そんな風に思ってくれてたんだ…。アタシも幸せだよ。
アタシの顔はまた真っ赤になった。
今日何度目?ってくらい、優人の言葉はアタシを真っ赤する。
「もう…優人っ。恥ずかしい…。」
「あははは…。本当の事だよ。行こうか?」
そう言って、優人は右手にアタシのチャリを持って、左手を差し出した。
アタシは『優人の手だぁ♪』って一人心の中ではしゃいで、そっと右手を重ねた。
ドキドキしてるのが、手の血管から分かる。
初めての感覚にアタシの手は汗かきまくり。
もう絶叫マシンみたいに「キャーッ」って叫びたくてたまらないよ…。