先生とアタシの接点

自分から香織の腕を掴んだくせに、ドキドキしてた。

少し赤みがかったであろう顔を見られるのが恥ずかしくて後ろを振り返れない。

近いはずの公園はめちゃくちゃ遠く感じた。


公園に着くと、さっきより香織の腕を掴む手に力が入ってた。

慌てて離すと、香織は少し驚いた。

つまらなそうな顔をしてるように見えるけど暗くてハッキリ見えない。


とりあえず近くのベンチで買ってきた物を無言で食べた。


やっぱり意識しちゃって喋れない。


平静を装って香織を見ると、目が合った。

一瞬だけど、香織がじっと見ていたような気がして話しかけると、『好きな人』の話になった。

俺が今一番考えたくない事…。

しかも自分の好きな人と話すのかよ?

聞きたいような聞きたくないような…。

< 49 / 267 >

この作品をシェア

pagetop