先生とアタシの接点
―初デート―<香織side>
…翌日。
バイトが終わった。
今日は昨日までと違ってミスをする事もなく、気持ちよく働いた。
真辺さん達が『何か良いことでもあったの?』って聞いてきた。
それくらい違いがあったみたい。
珍しく優人はまだ来てなくて、鼻歌を歌いながら待つこと数分…。
少し離れた所から、見覚えのある人が手を振りながら走ってくる。
優人が来た。
嬉しくて大声で
「優人~♪」
って叫んで駆け寄った。
アタシは止まったのに、優人はアタシに抱きついてきた。
「きゃっっ!!」
嬉しいけど恥ずかしくて一言しか声が出ない。
夕方だから周りには普通に人がいるのに…。
優人はすぐ離して、アタシの手をとった。
「ごめんごめん。昨日ここで会ったとき、こうしたくてたまらなかったんだよ…。今でも夢みたいでさぁ…。」
「も~!優人が止まらないからぶつかるかと思った。心臓バクバクだよ…。」
本当はそれだけじゃないんだけど、恥ずかしくて止まらないせいにしちゃった。
「それ、止まらなかったからか?」
やっぱりバレてる…。
つまらない意地を張ろうか、認めようか悩んでいると、
「早くしないと映画始まるぞ?」
って言って歩き始めた。
いじめるだけいじめて置いてくって…。
そのまま問い詰められてもきっと意地張るだけだし…まぁいっか。