先生とアタシの接点

今まで、街ですれ違うカップルが楽しそうにしてる理由が分からなかった。


…でも、優人が教えてくれた。


手を繋いでいるだけで感じるぬくもり。


一緒に過ごす貴重な時間。


どこかへ移動するだけ、歩いてるだけなのにそれだけで笑顔になれる。



ドキドキさせられたけど、笑われたことも素敵な思い出。

『楽しい』とか『幸せ』って感じる度に、今日がずっと続いてほしいって思った。



ラーメンを食べた後、まだ帰りたくなくて公園に行った。


昨日と同じ公園。

思い出の場所。

ここへ来る度にあの告白を思い出すんだろうな…。


優人と手を繋いで、あのベンチへ向かった。

近くなるにつれて、告白する前みたいにドキドキする…。


ベンチに座ると

「香織…。好きだよ。」

優人がキスしてくれた。

恥ずかしいけど、アタシもむしょうに言いたくなって

「アタシも優人…好き。大好き。」

そう言って優人に抱きついた。


月の光に照らされたシルバーのリングがダイヤモンドみたいにキラキラしていた。


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