先生とアタシの接点

―理由―＜香織side＞

「あのー、お店で話長引くの嫌だったからとりあえずお待ちいただいたんですがこれっきりにしていただけますか？」

さっきとは別人のような言葉を私は口にする。

「あっごめん。君に声を掛けた本当の理由は妹に似ているからなんだ。」

それだけ言われても正直理解できないけど、なんとなく寂しさを感じた。

その人は申し訳なさそうな顔で話を続けた。

「俺の妹は病弱で入退院を繰り返していたんだ。

少し強くなって入院も減って安心していた矢先に街中で倒れてそのままあの世へ旅立ったんだ。
妹にもう一度会えたような気がして、いてもたってもいられなくて声を掛けたんだ。

こんな理由勝手だよな。いくら妹の死があったからと言っても君からしたらいい迷惑だよな。

ごめんな。
また話に付き合ってくれたら嬉しいと思ったんだけど…やっぱりダメかな？」