先生とアタシの接点

優人は一瞬ビックリしたけど、すぐに先生の顔になった。

「あっ…かっ…山根…さんだよね?」

あの時以来の『山根さん』っていう呼び方がショックだった。


…でも『香織』って言いかけたよね?今更だけど、間違いなく優人だ。



…もう『香織』って呼んでくれないの…?



返事もできず下をうつむいたアタシを見て、絵里が『全部知っているんだ』という事を優人に説明した。


説明が進むにつれて、優人の顔が安堵の表情に変わっていった。




ようやく最後まで聞き終わると、優人が口を開いた。

「篠原さん、ありがとう。あとは香織と話すから…今日は席外してもらっていいかな?」

「わかりました。でも先生、香織を泣かせるような事したら私怒るからね!」

絵里の強い口調に優人が若干怯えてる。

「あぁ…分かった。」

「じゃっお先に…。」

絵里はニコニコして帰っていった。

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