先生とアタシの接点

どのクラスも名簿ができあがっていないらしく、誰一人の生徒の名前を覚える事もできずそのまま始業式に向かった。

風間先生と相談した結果、副担任を務めるクラスでの挨拶は名簿ができあがってからという事になり、名簿が無い事も特に気に留めなかった。



気がつくと、担任の先生の発表が終わっていた。

先生の名前が呼ばれる度に、気の抜けたような声や沸きあがる歓声が聞こえる。

それを聞くだけで、生徒に人気のある先生とない先生が分かった。




…いよいよ俺が紹介される番。

名前を呼ばれるのと同時にお辞儀できるように、前の方へ歩いていった。

…ふぅ…やっぱ生徒でも緊張するな…

立ち止まって前を見た瞬間…見覚えのある人と目が合った。

昨日デートした俺の彼女。



…香織??


別に探したんじゃない。この場にいるなんて知らない。

…朝メール返すの忘れてた…。

って!!…それどころじゃない。

なんで香織があそこにいるんだ??


予想外の再会に気をとられて、引きつり笑顔になった。



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