先生とアタシの接点
長い沈黙のあと、私は口を開いた。

「そうだったんですか…。悲しいことを話させてしまってすみません。てっきりナンパかと思って。
バイトの帰りだったら少しくらいは時間があります。もしよかったらまた声かけてください。」

「ありがとう。遅くなっちゃったから送るよ。」

「チャリなんで大丈夫です。名前、何て言うんですか?」

「あ、言い忘れてた。俺は遠山優人、24歳。山根さんは?」

「私は香織って言います。17で春から高3です。」

「よかったらアドレス交換しない?」

「あっ。ハイ!」

慌ててケータイを取り出した。よく見ると八時を回っていた。

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