先生とアタシの接点

…数分後。


―コンコンッ……ガラガラッ…

「遅くなってすみません」

えっ?優人?

…声の主は優人だった。

隣で絵里が一瞬微笑んだ。


やっと…会えた…。


アタシは絵里に支えられながら、校舎の裏口まで歩いた。

優人が『おんぶする』って言ってくれたけど、

支えて貰えばなんとか歩けそうだし、周りの目が気になって断った。

それに、おんぶなんかしてもらったら意識ぶっ飛んじゃいそうだし…。


裏口に着くと、白いワンボックスカーが停まっていた。

あれが優人の車かぁ…。

初めて乗る優人の車にドキドキした。



後部座席で横になると、保健室から借りてきたタオルケットを掛けてくれた。

それを見て、絵里が見送ってくれた。

「先生、任せたよ!あっ。襲っちゃだめだよ!!」

「わ…分かってるって!」

優人の声がちょっとだけ裏返った。

カワイイ~。


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