先生とアタシの接点
しばらくすると、見覚えのある景色が見えた。
青い空に緑色の山が喰い込んでる。
子供の頃から飽きるくらい見てるけど、大好き。
そういえば…そんなに遠くないのに時間かかってるような…。
あ…アタシを気遣ってくれてるのかな?
仮病じゃないけど、熱を出したのがラッキーなことに思えた。
…もう着いちゃうの?
「優人…ここどの辺?」
「どの辺って…俺昼は初めてだからな~。」
あ…そうだった。
「こっちの方が空気よさそうだな。」
呑気に関心してるよ…アタシは帰りたくなくて焦ってるのに…。
「どっか寄りたいのか?どこだ?」
「ううん、まだ…帰りたくない…」
…えぇっ!?アタシ…何言っちゃってんの?本音だけどさ…
「あのな~。仮にも病人なんだぞ?」
「だって…やっと二人きりになれたんだもん…。優人は嬉しくないの?」
「俺だって嬉しいよ。送ってるのは偶然だけど…。」