結ばれぬ恋、許されぬ想い~戦国恋想~【短編】
そう言った邑楽は、最後にと申し添えながら、俺の目を覗き込むようにして顔をこちらに向けた。
「珠を入れただけでも基礎能力は上がる。
だが、真のサムライ化をするためには、言霊が必要だ」
何にする?と聞かれ、俺は真っ先に思いついた言葉を、サムライ化の言霊にすることに決めた。
その言葉を伝えると邑楽は、フン、と鼻で笑ったが、何も言わなかった。
俺も、邑楽の無礼な態度をとがめることはしなかった。
俺自身も、もし誰かがそれを言霊にすると言ったら、きっと呆れたろうから。