結ばれぬ恋、許されぬ想い~戦国恋想~【短編】
ガキーーン!!
勝負は一瞬だった。
俺の向けた刀は金剛機の胸を斬り、中にあった珠を粉々に砕いた。
パァン、と珠の割れる音がなると、金剛機はシュイーンという小さな音を残し、動作を停止させた。
「そんなはずはない!
ヨロイばかりか金剛機までも倒されるはずが……!!」
そう叫びながら金剛機へ向かう六合を横目に俺は、姫のいる最上階へ向かった。
階段を昇りきると、目の前に姫がいた。
さっきの鏡では気付かなかったが、柱にくくりつけられた格好をしていた。
俺の顔を見て開口一番、「早く!」と言った姫の縛を解こうと近付いた。
すると姫は、大きくかぶりを振って俺を見、切迫した様子で言った。