白兎物語
ウサ美「…さない…に…えせ…」

セシル「アハハ。何だい?気でもふれたか?」

するとウサ美はセシルの方を向き怒りの表情で叫んだ。

ウサ美「お前は絶対に許さない!返せ!!ウサ吉を返せ!!!みんなを返せ!!!!!」

その時、ウサ美の目から溢れ出た涙がゆっくりと落ちていき、ウサ美の胸の前でふわふわと空中に留まったかと思った瞬間、目も眩むほどの真っ白い光を放った。

セシル「何っ!?」

ウサ美「えっ!?」

驚く2匹をよそに光はさらに増していき、すべてを白に染めていく。

その白い光の中でいつの間にかウサ美は意識を失っていた。

「さあ起きて。」

直接心に響いてくるような声でウサ美は目を覚ました。

白い。

すべてが白い何も無い空間にウサ美はいた。

ウサ美「ここは…?今の声は一体?」

立ち上がりながら誰に問い掛けるでもなくウサ美はつぶやいた。

「ここは安全よ。」

気がつくと目の前に自分とそっくりな兎が立っていた。始めからそこにいたのか突然現れたのかウサ美にはわからなかったが、不思議とその声にやすらぎを感じていた。

シャーロット「私はシャーロット。白兎の秘宝の守護者…。詳しい話をしている時間は無いわ。太古の契約に基づき、あなたに力を貸しにきました。」

ウサ美「え?何?何の話?」

訳もわからず動揺するウサ美。
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