白兎物語
ゴラン「まあまあ、落ち着いて下さい。」

ウサ太郎「そうだ、まずみんなを生き返らせるのが先決だろう?」

ウサ美「…わかった。わかったから離せよ。おい婆さん、ボケはもういいからみんなを生き返らせてくれよ。」

大人しくなり、ようやく2匹から解放されるウサ美。

老婆「わかっておる。すぐ生き返らせてもありがたみが無いと思ってちょっとボケただけじゃ。」

そう言うと老婆は倒れている4匹の前に立ち、何かをつぶやいた。すると4匹の体を淡い光が包み込んだ。しかし4匹にそれ以上の変化は見られない。

老婆「うーん、死んでから時間が経ち過ぎておる。わしの力では無理かもしれん…。そうじゃウサ美!お前の力を使え!」

ウサ美「えっ?でもどうやって?」

老婆「お前が手に入れた太古の力を使うんじゃ。審判の扉を出してみよ。」

ウサ美「いいけど、あれは悪い奴を冥界に送るやつでしょ?」

老婆「いいから早く!」

ウサ美は老婆に言われるままに審判の扉を出現させた。老婆は扉の前に立ち、上を見上げた。

老婆「久しぶりじゃの。元気にしとったか?カイルにエリスよ。」

すると扉に彫られている天使と悪魔の彫刻が浮き上がり答えだす。

カイル「クケケッ、よお久しぶりだな。すっかり婆さんになっちまって。まあどうせその姿も仮の姿だろうがな、クケケッ。」

エリス「これはお久しぶりですね。またお会い出来て嬉しく思います。」

老婆「今日は頼みがあってな、ここにいる4匹を蘇生させてやってほしいのじゃ。」

カイル「チェッ、なんだよエリスに用かよ。また冥界に落とす奴がいたら呼んでくれ。じゃあな、クケケッ。」

カイルはそう言って元の彫刻に戻ってしまった。
< 114 / 121 >

この作品をシェア

pagetop