白兎物語
ゴラン「またですか?動いてません。気のせいですよ。」

ウサ太郎「なあ、半日か1日かかるんじゃないか?」

…さらに2時間経過。

ウサ美「腹減ったな…」

ゴラン「そうですね…」

ウサ太郎「確かに…」

ウサ美「おい、ウサ太郎。焼きそばパン買ってこい。」

ゴラン「僕も同じやつでいいです。」

ウサ太郎「何で俺なんだ?ジャンケンか何かで決めろよ!…て言うか街まで何時間かかると思ってんだよ!」

立ち上がりウサ美たちの理不尽な要求に切れるウサ太郎。

ウサ美「言う事聞かないと冥界に送っちゃうぞ。」

ウサ美は審判の扉を出したり消したりしてそう言った。

ウサ太郎「うわぁ。何でこいつにこんな力持たせたかなぁ。」

文句を言っていたが冥界に送られたくないウサ太郎は渋々近くの街までパンを買いに行くのであった。

ウサ美「本当に行ったぞ、バカだなあいつ。」

ゴラン「冗談だったのに。」

ウサ美「太古の力を使えばパンなんか簡単に出せるのに。ほら!」

そう言ってウサ美はいろんなパンを魔法で出した。

…さらに数時間後。

ウサ太郎が帰って来た時、ウサ美とゴランは大量の食料に囲まれてお腹一杯になったのか、ぐっすりと大の字になって寝ていた。

ウサ太郎「こいつら、いつか殺す。」

ウサ太郎はウサ美たちを見下ろしながら、買ってきたパンを握り潰していた。

その時、ウサ太郎の背後から怪しい影が近づいてきていたのだが、当のウサ太郎はまだ気付いていなかった。
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