白兎物語
するとまずバジャールがこう言った。

バジャール「オレは、ひょっとしたら世界中を探せばオコジョ族の生き残りがいるかも知れない…可能性は低いが、そいつらを探す旅に出てみるつもりだ。」

すると今度は赤ウサJr.が口を開く。

赤ウサJr.「俺は婆さんの所へ戻って未来に帰してもらうぜ。未来もすっかり平和になっているはずだからな。」

そしてゴランが続く。

ゴラン「僕は学校があるので家に戻ります。来週から試験があるんですよ、帰って勉強しなきゃ。」

ウサ美「そうか…みんなよくやってくれたな。それぞれこれから先も頑張ってくれよ。」

ウサ美が珍しく労いの言葉をかけた。

ウサ吉「あの…それで姫はこれからどうされるのですか?」

ウサ美「え?そうだな…とにかくしばらく休みたいな。どこか気候のいい所にでも行ってリフレッシュするかな。」

ラビィ「あっ、それいいわね。アタシも一緒に行こうかしら。」

ウサ美「じゃあ一緒に行くか?おい、ウサ吉・ウサ太郎!お前らもついてこいよ。」

ウサ美が2匹に命令する。

ウサ太郎「ウサ吉はいいとして何でワシまでついていかにゃならんのだ?」

ウサ美「なんだよ、召し使いとして雇ってやるっつってんだからありがたくついて来い。さもないと…」

ウサ美はまた審判の扉を出したり消したりしてウサ太郎に脅しをかける。

ウサ太郎「うわぁ…わ…わかったよ…」

そう言ってよほど冥界が怖いとみえて、慌ててウサ吉の影に隠れるウサ太郎。

ウサ美「バ〜カ、冗談だよ。すぐ真に受けやがって。アハハ。」

ウサ太郎「ちくしょー!」

『アハハハハハ!』

いつもの調子のウサ美とウサ太郎を見て、みんなは久しぶりに腹の底から笑った。

その笑い声は美しい夕焼けの空にいつまでもいつまでもこだましていたという。
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