白兎物語
ウサギの涙
ウサ吉「ここです姫。」
ウサ美「やっと着いたのね。」
二匹は険しい岩山の奥にある薄暗い洞窟の前にやって来ていた。その洞窟はまるで「侵入者は生きて帰さない」とでも言いたげにその不気味な口をぽっかりと開いていた。
ウサ吉「この洞窟の奥に黒ウサの魔王ウサ太郎を完全に封印する事のできる通称[ウサギの涙]と呼ばれる黄金が眠っているはずです。」
ウサ美「じゃあ早く取って来てよ。」
ウサ吉「…。…姫、この宝石は代々白兎族の王家の血を引く者、すなわち姫!あなた様しか触れる事ができないのです。」
ウサ美「マジで?なんだよめんどくせーな。」
ウサ吉「…すみません(…きっと姫は突然の出来事に気が動転して、あんな乱暴な言葉遣いになっているにちがいない…お可哀相に…)」
ウサ美はまだぶつぶつと文句を言っていたがしぶしぶウサ吉と洞窟の中に入っていった。
意外に洞窟の中は広く、さしたる危険も見当たらない。どんどん奥に進んでいく二匹。
ウサ美「なんだよ、けっこう楽勝だな。」
ウサ吉「姫、この洞窟にはいろいろな仕掛けがあると聞いています。もし見なれぬ物、例えばレバーなどを見つけても間違ってもお引きにならぬように注意して下さいね。」
ウサ美「すまん。もう引いちまった…」
見ると壁から出ているレバーをウサ美がおもいっきり下げた後だった。
ウサ吉「何やってんだテメェ〜!!」
ウサ吉がそう叫んだ瞬間、彼らの足元の地面が崩れ瞬く間に二匹は落とし穴の中に落ちてしまった。
ウサ吉「いたた…はっ!姫っ!姫!大丈夫ですか?」
倒れているウサ美をあわてて助け起こすウサ吉。
ウサ美「痛ぇ〜。まあ大丈夫だけど、お前さっき私にテメェとか言わなかったか?」
ウサ吉「いや…決してそのような事は…。それより何故レバーを?」
ウサ美「それより何故レバーを?じゃねえだろ!そんな大事な事は洞窟に入る前に言っとけよ、使えねーな!どうすんだよ、ここでお前と心中かよ、バカ兎!」
ウサ吉はこの時かすかに笑っているように見えた。するとその時!
「お困りかい?お二人さん!」
頭上から聞こえた声は敵か!味方か?ウサ美達の運命は?
ウサ美「やっと着いたのね。」
二匹は険しい岩山の奥にある薄暗い洞窟の前にやって来ていた。その洞窟はまるで「侵入者は生きて帰さない」とでも言いたげにその不気味な口をぽっかりと開いていた。
ウサ吉「この洞窟の奥に黒ウサの魔王ウサ太郎を完全に封印する事のできる通称[ウサギの涙]と呼ばれる黄金が眠っているはずです。」
ウサ美「じゃあ早く取って来てよ。」
ウサ吉「…。…姫、この宝石は代々白兎族の王家の血を引く者、すなわち姫!あなた様しか触れる事ができないのです。」
ウサ美「マジで?なんだよめんどくせーな。」
ウサ吉「…すみません(…きっと姫は突然の出来事に気が動転して、あんな乱暴な言葉遣いになっているにちがいない…お可哀相に…)」
ウサ美はまだぶつぶつと文句を言っていたがしぶしぶウサ吉と洞窟の中に入っていった。
意外に洞窟の中は広く、さしたる危険も見当たらない。どんどん奥に進んでいく二匹。
ウサ美「なんだよ、けっこう楽勝だな。」
ウサ吉「姫、この洞窟にはいろいろな仕掛けがあると聞いています。もし見なれぬ物、例えばレバーなどを見つけても間違ってもお引きにならぬように注意して下さいね。」
ウサ美「すまん。もう引いちまった…」
見ると壁から出ているレバーをウサ美がおもいっきり下げた後だった。
ウサ吉「何やってんだテメェ〜!!」
ウサ吉がそう叫んだ瞬間、彼らの足元の地面が崩れ瞬く間に二匹は落とし穴の中に落ちてしまった。
ウサ吉「いたた…はっ!姫っ!姫!大丈夫ですか?」
倒れているウサ美をあわてて助け起こすウサ吉。
ウサ美「痛ぇ〜。まあ大丈夫だけど、お前さっき私にテメェとか言わなかったか?」
ウサ吉「いや…決してそのような事は…。それより何故レバーを?」
ウサ美「それより何故レバーを?じゃねえだろ!そんな大事な事は洞窟に入る前に言っとけよ、使えねーな!どうすんだよ、ここでお前と心中かよ、バカ兎!」
ウサ吉はこの時かすかに笑っているように見えた。するとその時!
「お困りかい?お二人さん!」
頭上から聞こえた声は敵か!味方か?ウサ美達の運命は?