白兎物語
ウサ子「これは…もしかして?」

ウサ美「ええ、青バラの種です。私にはもう必要ありませんからどうぞ持っていって下さい。」

ウサ子「ああ…何てお礼を言っていいか…ありがとうごさいます。」

ウサ美は優しく微笑みウサ次郎に青バラの種を握らせてこう言った。

ウサ美「パパはすぐに起きるわよ。みんなで遊園地楽しんできてね。」

ウサ次郎は笑顔でウサ美に言った。

ウサ次郎「ありがとうオバちゃん。」

ウサ美「オバちゃんじゃね〜よ!!お姉さんだろ!!」

その後、荒れ狂うウサ美をなだめるのに時間が掛かったがなんとか治まり、親子は何度もお礼を言い山を降りていった。

ウサ吉「あれでよかったんですか?」

親子を見送るウサ美にウサ吉が言った。

ウサ美「元はといえば私達のせいでああなったんですもの、当然青バラの種はあの方たちの物ですわ。」

ウサ吉(姫…それでは姫の記憶は戻らぬまま…。さっき一瞬戻ったような気もしたが…気のせいか?)

ウサ美の言葉を聞いて、そうウサ吉が考えていた時に突然何か小さい物がウサ吉に向かって飛んできた。

反射的にウサ吉はそれを掴んだ。

手にしたそれを見てみるとなんと青バラの種だった。

ウサ吉「これは!!…なぜ?親子はまだ帰る姿がここから見えている。親子の物でないとするとこの種は?一体誰が?」

ウサ美「どういう事なの?ウサ吉さん?」

この時、困惑して呆然としている2匹の後ろから誰かがゆっくりと近づいて来ていた事と、山を降りていく親子が不適な笑みを浮かべていた事にウサ美たちはまだ気づいていなかった。
< 23 / 121 >

この作品をシェア

pagetop