白兎物語
赤ウサJr.「ああ…まず場所だが、ここからはるか北にあるスノーガーデン王国という国だ。」

ウサ吉「何?あの1年中雪の降る極寒の国か?」

少し驚いた表情で聞きかえすウサ吉。

赤ウサJr.「そうだ。そして最後の材料の名は現地ではガブリエルリリーと呼ばれる光り輝く百合の花だ。絶滅危惧種に指定されている貴重な植物だそうだ。」

ウサ吉「なるほど、それはちと厄介だな。手に入れるのは難しそうだな…。」

不安げな顔になるウサ吉。

赤ウサJr.「それだけならまだいいが、問題はその所有者だ。スノーガーデン王国の最北にある洞窟に住み着いている狼族の王ガゼットがガブリエルリリーを所有しているらしいぜ。」

ウサ吉「何!あの過激派の!我々白兎族の最大の天敵の狼族か!」

いつも冷静なウサ吉も思わず驚きを隠せないようだ。

赤ウサJr.「ああ、でも世界を救うためだ。やるしかないよな、姫?」

2匹がウサ美の方に目をやる。

ウサ美「……うーん、むにゃむにゃ…。…ん?何?何か言った?」

赤ウサJr.「テメー聞いてなかったのかよ!!!」

ウサ吉「今寝てただろ?絶対寝てたよな?コラァ!!!」

ウサ美「き…聞いてたよ。あの…あれだろ?朝食はごはんにするかパンにするか?とかの話だろ?」

ウサ吉・赤ウサJr.『ちくしょ〜!!!』
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