白兎物語
赤ウサJr.「なんだあいつ?結局助けてくれたのか?」

ウサ美「そうみたいだな。」

ウサ吉「まだわかりませんよ。お前一体何者だ?」

爆弾の解除方法を間違っていたのを指摘されて少しムキになっている様子のウサ吉。

謎の男「まあそう構えるなって。さっき空港で会っただろ?コホン、………昨日から何も食べてないんじゃ………ほらね。」

そう言いながら急に老人の声を出して見せる謎の男。

ウサ美「あ〜!1万円じじいの声〜!」

大声で叫ぶウサ美。

赤ウサJr.「いつのまにあだ名つけたんだよ…。」

ウサ吉「ではさっきの老人はお前の変装だったのか…。何故私たちに近づいた?そしてどうして助けたんだ?」

さらに疑問をぶつけるウサ吉。

謎の男「わかったわかった、答えるよ。オレはオコジョ族のバジャールてんだ。バジって呼んでくれて構わないぜ。あんた達が来るのを長い間待っていた。」

するとウサ吉の顔に少し緊張が走る。

ウサ吉「オコジョ族…たしか20年程前にオコジョ族は絶滅したと聞いていたが…?」

バジャール「ああたしかに…。我ら一族は20年前に狼族に滅ぼされた。残ったのは当時まだ赤ん坊だったオレだけさ。」
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