白兎物語
ゆっくりと3匹の顔を見渡してゴランははっきりと言った。

ゴラン「犯人はこの中にいます!」

ウサ美・ウサ吉・赤ウサ「!!!」

3匹に衝撃が走る。

ウサ吉「まさか…」

赤ウサ「オレじゃないぜ…」

ウサ美「お前ら〜!」

険悪な雰囲気に包まれる3匹。続けて語りだす名探偵。

ゴラン「この密室の中、わずか5分の間に他の仲間に気づかれずにプリンを盗みだせる人物は1人しかいません!犯人は…」

ゴランはゆっくりと赤ウサの方を指差し、

ゴラン「犯人はあなた…」

と言いかけたその時、入口のドアからコンビニの制服を着た男が入ってきて、

「いやぁ、探しましたよ。さきほどうちでプリン買っていかれた女性の方、レジの横に置き忘れていたみたいなので届けにきました〜。ここに置いておきますね。じゃあ失礼しま〜す。」

店員が帰った後、部屋にはしばらく沈黙が続いていた…

ウサ吉「…姫が置き忘れてたんですね…」

赤ウサ「ゴラン、今お前オレが犯人って言おうとしてなかったか…?」

ゴラン「…」

ウサ美「ウメェ!やっぱ風呂上がりのプリンはウメェよ!おいゴラン、テメェの推理まるハズレだったな!アハハ」

自分が置き忘れたのに人を疑った事を悪いとは微塵も思っていないウサ美。

その晩、ウサ美はぐっすりと眠れたが他の3匹は一睡もできなかったという…。
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