白兎物語
ウサ美「え?マジ?」

赤ウサJr.「仕方ないな、そこまで言うなら譲ってやるよ。」

ウサ吉「すまないラビィ…」

ラビィの申し出におとなしくなる3匹。

ラビィ「…最低ねアンタたち。まぁいいわ、さぁ準備はいいかしら?そこの筋肉おバカさん。」

そう言うとラビィはバルタスの前に進み出た。

バルタス「ほぅ、さっきのスピードを見ても臆さず向かってくるとは。ではお前から始末してやろう。」

そう言うやいなやバルタスはナイフを取り出し、もの凄いスピードでラビィに切りつけた。

切られた!と思った瞬間、ラビィの姿はそこにはなくバルタスのナイフは空を切った。

ラビィ「ノロマねアンタ。」

ラビィは凄いスピードで少し離れたバルタスの後方に移動していた。

バルタス「ほぅ、兎族のくせになかなかやるな。だが…」

そう言った瞬間、バルタスは持っているナイフを振り向き様にラビィに向かって投げつけた。ナイフはうなりを上げラビィに向かって飛んでいく。

ラビィ「そんな物がアタシに当たるとでも思って?」

そう言ってわずかに動きナイフをかわすラビィ。ナイフはラビィの顔の横を通過してゆく。

ラビィ「!!」

見ると目の前にいたはずのバルタスがいない。

ラビィ「しまった!!」

気付いた時には遅かった。バルタスは信じられない動きでラビィの背後に移動すると、自分の投げたナイフをキャッチして迷わずラビィの背中に突き立てた。
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