白兎物語
ウサ美「ラビィ!」

あまりの出来事にウサ美が声を上げる。

バルタス「フッ、所詮こんな物か?スピードでオレ様にかなうはずがなかろう……何!?」

見るとナイフで刺したはずのラビィの姿が霧のように消えていった。

ラビィ「やっぱりノロマねアンタ。」

ラビィはバルタスの背後に立っていた。

バルタス「まさか…そうか、幻術か…オレ様の背後を取るとは…たいした…女だ…」

そこまで言うとバルタスはゆっくりとうつぶせに倒れた。背中にはラビィが魔法で放ったであろう光の矢が突き刺さっていた。

ラビィ「ふぅ…なんとか倒したわね。」

バルタスを倒しホッとした表情に戻るラビィ。

ウサ吉「強い!」

赤ウサJr.「なかなかやるな!!」

ウサ美「スゲー!!ラビィそんなに強かったのかよ?」

3匹が思わぬ強さを披露したラビィに駆け寄る。

ラビィ「アンタたちが情けなさ過ぎるのよ。次はアンタたちでなんとかしなさいよ。」

ウサ美「わかったよ。次は絶対なんとかするよ!Jr.が。」

赤ウサJr.「オレかよ!」

ウサ美たちにいつもの調子が戻る。

ウサ吉「さあ、おしゃべりはそのくらいにして先を急ぎましょう。セシルが秘薬を完成させる前に止めなくては!」

ウサ美「それもそうだな。さあ行くぞみんな!」

4匹は洞窟の奥の扉を開けた。その先にはまた洞窟が続いていた。
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