白兎物語
ウサ美「どうやって開けるんだよこの扉?」

ウサ吉「わかりません。何か方法があるとは思うんですが…」

赤ウサJr.「そもそもこれ扉なのか?壁の一部が金属になってるだけに見えるぜ。」

そう言いながら3匹が扉の前で考えを巡らせていると突然背後から声がした。

「その扉、気に入って頂けましたかな?私の自信作です。」

振り向くと部屋の中央にタキシードを着た少し痩せ型の狼が立っていた。

ウサ吉「いつの間に!?」

赤ウサJr.「全く気づかなかったぜ。」

少し前に出てウサ美を守りながら身構えるウサ吉とJr.。

ウサ美「誰だよお前?」

ウサ美の問い掛けに狼はゆっくりとおじぎをしながら言った。

ブルー「これは申し遅れました。私の名はブルー。皆様方には悪いですがセシル様の命によりこの先にはお通しする事は出来ません。」

見た目はひ弱そうな狼だが、その余裕たっぷりな所がかえって不気味である。

赤ウサJr.「なんかふざけた野郎だな。おい!これ扉なら開くんだよな?開け方を教えろ!」

ブルー「フッ、単刀直入なお方だ。その扉の鍵は私そのものです。私を倒せば扉は開く仕組みになっています。まあ方法を知ったところでどうなるものでもありませんがね。」

3匹は顔を見合わせた。
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