白兎物語
セシルの身体から黒いオーラのような物が立ち上り、邪悪な気がさらに凶悪なものに変わっていく。

ウサ美「間に合わなかったか…」

ウサ吉「くそっ!このままでは世界が…」

がっくりと肩を落とすウサ美とウサ吉。

赤ウサJr.「何を弱気になってるんだよ。俺達で奴を倒せばいいんだ。見てな!先手必勝だぜ!」

そう言うと赤ウサJr.は素早く呪文を唱え赤い光の玉を作り出しセシルに向かって投げ付けた。
光の玉は物凄いスピードでセシルに向かって飛んでいく。

セシルは笑いながら軽く手を振った。すると光の玉はセシルに当たる直前で大きくカーブして部屋の側壁に当たった。大きな音と共に埃を巻き上げながら壁の一部は粉々に砕け散った。

赤ウサJr.「俺の渾身の一撃を簡単にあしらいやがった…」

セシルの力に驚きを隠せないJr.。

セシル「建物の中であんな物を投げ付けるなんてイケナイ子。壁も壊れちゃったし、罰を与えないとね。…死になさい。」

セシルは左手の親指と人差し指を拳銃に見立てて赤ウサJr.に狙いをつけた。

セシル「ばぁん!」

そう言って銃を撃つような真似をして人差し指にフーッと息を吹き掛け笑っているセシル。

しかしこれといって何事も起こらない。

ウサ吉「何のマネだ?」

ウサ美「何かの術の失敗じゃねえの?なんだ、たいしたことないじゃん。なあJr.。」

ウサ美はそう言ってポンッとJr.の背中を軽く叩いた。
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