Darling
「ねえ」

下校途中、拓海くんはさりげなく手を繋ぐ。

「真由ちゃんは本当にモデルなんてしてもいいの?」

少しだけ、前を歩く拓海くんは。

チラッと後ろの私を見つめてすぐに前を向いた。

「…別にそんなに嫌じゃない」

明らかにイヤラシイ意図を持って撮られるならともかく。

相手は吹田くんだし。

何もないって事くらい、わかってる。



でも、拓海くんは不満みたい。

それ以降、駅までは何も話さないまま、手を繋いで歩いていた。
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