BRACKxxx…
僕は指で愛梨の涙を拭き取り、ぎゅっと抱きしめた。
体を離したあと愛梨はゆっくり頷き
「少しなら…」
と震える声で言った。
男は待ってたかというようにニヤリと微笑んだ、その笑顔に違和感があったように感じたが僕と園長先生は2人を残し、食堂を立ち去った。
2人が見えなくなった所で園長先生が僕に頭を下げてきた。
「ほんとうにごめんね…
あたしもこんなことしたくなかったの
だけどあの方は愛梨ちゃんのことを真剣に考えてくれているみたいで…
愛梨ちゃんだって家族が居ないのと居るのとじゃ全然違うでしょ?
だから…」
僕はそんな園長先生の言葉を遮って喋った。
「わかってますよ
園長先生が愛梨のことを考えてしたことだって。
だけど、愛梨に何かあったら…
園長先生だとしても…
僕は許しませんよ?」
そう言い残して僕はその場を立ち去った。
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