先生の青
息を吸うと
呼吸が乱れてる事に気付く
少し前まで
あんなに守られていたのに
「……先生は……
ただの先生だよ……」
私と先生が
付き合ってるなんて
変な事を英雄さんが
言いふらしたら
先生に迷惑かける……
英雄さんは
私の肩にあごを乗せ
後ろから腕を回し
抱きしめた
……嫌だ
怖い……怖いよ……
「あのセンセーは
もう、いいよ
アイツ少し頭ヤバいし」
「え?」
横を向くと
英雄さんの左頬が腫れ
唇の端が切れてる
殴ったの本当なんだ
「もう、お前なんて
どうでもいい……
約束通り家も出るよ
ちょうど出たかったし」
だけどな って
英雄さんは
私を抱く腕に力を込めた
「だけどな1つだけ
いいコト教えてやるよ」
…………いいコト?
「この家で知らないの
お前だけだろう?
一人だけ知らないなんて
可哀想だからな……
妹思いの兄に感謝しろよ……」
この家で
私一人だけ
知らない事?
英雄さんは
嫌な笑いを
口元に浮かべ
低い声で
信じられない
真実を話し始めた