先生の青
「森さんって
かなり三島先生
狙ってるみたいだよ?」
昼休み
学校の中庭で
絆と二人でお昼を食べてる時
ふいに絆が言った
「部活だけじゃなく
休み時間も美術準備室に
張り付いてて」
「休み時間もっ?」
絆からの情報に
思わず大きな声が出る
絆はうなずいて
お弁当食べながら
話を続ける
「朝だって」
朝?
「森さん痴漢に合うからって
三島先生に頼んで
毎朝一緒に電車乗ってるって」
焼きそばパンをくわえたまま
しばらく時を止めてしまう
ちょっと、先生
私 何も聞いてませんが?
「三島先生、爽やかだし
好きになるのもわかるけど
さすがに先生も
迷惑じゃないかな?」
絆は少し私を気遣うような視線を向けた
先生とのことは
絆に言っていない
信用してないわけじゃないけど
一応ってか全然
教師と生徒だし
堂々と付き合ってます
なんて言えない
付き合いって言っても
私が週末、先生の部屋に
押し掛けるだけだし
う~ん、でも森 愛夏のこと
なんで先生
私に何も言わないの?