先生の青
わけわかんない
わけわかんない
それでも、にわかに信じられず
バイト先に行くと
店長も困惑した表情で
お母さんが来て
頭を下げていった事を
話してくれた。
事務所の机の上には
お母さんが置いていった
菓子折りがあった
夕暮れの道
すっかり肩を落として
とぼとぼ歩く私を
小学生がチャリで
追い抜いて行った。
………なんで?
なんで こんな事されなきゃ
いけないの?
お金貯めて
卒業後の資金にしようと
思ってたのに
ううん。
お金の事だけじゃないよ。
バイトの間は
嫌な事を忘れられた
あの家で
部屋に閉じ籠らなきゃいけない閉塞感も忘れられたのに
仕事をする事で
あの店の中にはちゃんと
私の居場所があったのに……
なんで?なんで?
なんで奪われなきゃ
いけないの?
「……ふざけんなよ」
胸がカァーっと熱くなって
涙が込み上げてくる。
だけど、泣かされるのは
もっと納得いかない。
私は何も悪い事をしてない。
なんで一方的に傷つけられて
泣かなきゃいけないのか
涙の代わりに吐き出す言葉
「………ふざけんな
…………ざけんなよ」
オレンジ色に染まる街並みが
ぐにゃりと歪んだけど
意地でも涙を溢すもんか
「………ふざけんなよ」
声を詰まらせ呟いて
視線をぐっと上げた。
呟きながら歩くなんて
スゴいアブナイ奴だな、私