先生の青





翌朝から できる限り
先生のそばにいた





家には
『しばらく帰らない』って
お父さんにメールして
ケータイの電源を切った




お父さんでも何でも
来るなら来いって感じだった
私に怖いモノは



もう何もない―――――――






先生の隣で歌を歌った
大好きなAqua Timez
美術室に響き渡った
あの微妙な音程




そして ちゃんと
私の口からも報告した




「先生


私のお腹に赤ちゃんいるんだよ


先生と私の赤ちゃん……
ここにいるんだよ……」




まったく力のない
先生の手をとり
お腹にあてる




いつも見てた
その華奢で綺麗な指先にも
細かな傷があった







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