先生の青
ザザ―――――――
ザザ―――――――
寄せてはかえす
波の音が響き渡る砂浜
赤ちゃんの頃から
連れて来てたから
青波(セイハ)は怖がることなく
私から離れて
ポテポテ歩きながら
波へ近づいて行く
私の息子、青波も
もう1歳4ヶ月になって
歩くのも上手だ
とはいえ、砂浜じゃよく転び
頭から砂だらけになることが
しょっちゅうだけど
「青波!待って
一人じゃ危ないよ」
私の叫び声に振り返り
先生に瓜二つな
タレ目をこちらに向ける
青波の元へ駆け寄る前に
砂浜の上
不自由な左足を引き摺りながら
歩く彼を支えようとすると
「オレは大丈夫だから
青波を見てなよ
――――――イチ」
パパの言葉にうなずき
波打ち際
寄せる波に歓声をあげる
青波の元へ走った