先生の青
青波が綺麗な白い貝を拾い
少し離れた砂の上に座るパパに
「ぱぁー」と声をかける
パパは穏やかな笑顔を浮かべ
手を振った
貝を握りしめ
パパの元へ駆け出した青波を
パパは両手広げて待っている
腕の中に
飛び込んだ青波を
きつく抱きしめる
パパを見つめると
ふいに泣き出したくなった
込み上げるモノを堪えるために
パパと青波に背を向けて
陽の光を反射させて輝く
海を見つめた
波が砂浜を走り
私の足元を濡らした時
「ママー!
青波、オムツ替えなきゃダメだ」
目を両手でゴシゴシこすり
「はーい」って大きく返事して
歩きにくい砂浜の上
愛しい家族の元へ
駆け出した
END