先生の青
2階には部屋が全部で5室ある
1番奥が英雄さん
兄の部屋
その2つ手前が私の部屋
他はゲストルームや
物置代わりに使ってる部屋
父と母の寝室や書斎、
祖母の部屋は1階にあり
2階を使うのは
英雄さんと私だけだ
自分の部屋で制服から
Tシャツにジーンズと
楽な格好に着替える
実の父は妻子持ちだったそうだ
もちろん母は話したがらない
親切な親戚の叔母さんが
教えてくれた話
同じ会社で働いてた上司と
不倫の末できた子供が私
記憶にはないけど私は2歳まで
乳児院に預けられてたんだって
昼は保険の外交
夜はコンビニ
身を粉にして働き
私を育ててくれた母に
例え貧しくても
恨みを言えるわけがない
母に恋人がいるって
気づいたのは中3の冬
経済的に高校の進学は諦めよう
私はそう考えていた
だけど、
絶対 大丈夫だから
高校は行きなさい。
強い口調で言った母
親としての意地というより
どこか余裕が漂ってた
だから、支援してくれる人が
現れたのだと私は わかった。