俺様王子☆年下カレシ2
「いいか、動くなよ」


「…動くなって言われても」


サチさんは、オレが今からしようとしてる事が分かったのか


やんわり笑うと、顔を少し上に向け、静かに目を閉じた


普段恥ずかしくてあんまり直視できないサチさんの顔が、今オレの方を向いていて…


その白く透き通るような肌に、血色の良いほんのりピンクの頬


長く揃った睫に、艶めいた唇…、その全てを、今自分が独占できているんだと思うと


それだけで、幸せだった


緊張?動揺?嬉しさ?


何かよく分かんないけど、トクトク心地良く波打つ心臓


オレは…サチさんの前髪を、震える指で優しく、少しすくった
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