俺様王子☆年下カレシ2
「これね、ラストが…切なくて。多分泣くと思ったからお昼読めないし、今ここで読んでたんだぁ…。あは、やっぱり泣いた」


彼女はそう言って、もう一度涙を拭いた。


「浜中くんは、本で泣いたりする?」


「オレ?う…うーん、そだな。たまに…」


たまにとか言いつつ、数えるほどしか本を読んだ事がないオレは、実は本で泣いた事がなかった。


今オレが持ってる本も冒険物で、今ん所泣きどころは一つもない。


「じゃあ…これ、読む?」


差し出された本を受け取るために、彼女の横にしゃがみ、本を手に取る。


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