キミウタ

残されたものは手の平に乗った2つの紙切れとあたしに向けられたクラスメートの不安そうな顔だけだった。


「朝実…愛結が転校するコト知ってたの??」


「…ううん」


「そっかぁ…朝実も知らなかったのかぁ…」


みんなが口々に愛結のコトを話す。


「…ごめんっ」


あたしは涙を堪えきれずに廊下に出た。


< 69 / 150 >

この作品をシェア

pagetop