戦国ライフ-もうひとつの空-
第壱幕…記憶喪失。
◆二人の男
???)「おい!ご無事か?しっかりなされよ!」
誰かの…必死に叫ぶ声が聞こえる。
うう…ん…
ゆっくりと瞼を開くと、薄暗い視界の中に、地味な着物をまとった男が私を心配そうに覗いていた。
「ここは……」
重い身体を起き上がらせて気付いたのは、私は全身ずぶ濡れでいて、
今、どこかの橋の下にいるという事。
「あの……私は…?」
男)「そなたはこの橋から身を投げたのだぞ!?しかし、ご無事でなによりだ…。こんな夜分に一体どうなされた?名は何て申す?」
「名前?…名前は…恋(レン)…確か…お恋。」
男)「確か?…覚えておらぬのか?」
頭がズキズキと痛む。
頭を強く打ったのか 、名前以外何一つ思い出せない。