戦国ライフ-もうひとつの空-


“コクン"と頷く私を見ると、男は自分の羽織りを脱ぐぎ、ふわりと私にかけてくれた。


男)「そんな身なりでは風邪をひいてしまうであろう。一晩うちでしのいでいくと良い。ただし、すまぬが日の出には出て行って貰いまする。それでも良いか?」


「あ…は、はい。それで十分です。助けて頂いたのに、そこまでして貰うなんて…むしろ申し訳ないくらいです。」


羽織りを強く握りしめ、深々と頭を下げる。


男)「すまぬな…。うちにはもう一人同居人がおるのだ。何も覚えておらぬ君を、出来れば手助けしてやりたいのだが…。何故彼は身勝手な性格ゆえ…。」


そう事情を話すと、すまなそうに小さく苦笑した。


「とんでもないです…」


ブンブンと頭を振る私に、

男)「かたじけない。」

と、彼は優しく微笑んだ。



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