戦国ライフ-もうひとつの空-
暫く歩くと、ある古い民家の前で彼は立ち止まった。
ガラ…
男)「さあ、此方へ。少し狭いですが、どうぞお入り下さい。」
彼に促されゆっくりと足を踏み入れる。
すると…
???)「おい!半蔵(ハンゾウ)!今何時だと思ってンだ!?こっちは腹減って…」
バタバタと音をたてて、中から不機嫌そうに男が現れる。
男は私を見るなり、目を大きく見開き、たいそう驚いてる様子で、口をパクパクさせている。
「あの~私……」
???)「何なんだ?半蔵!この小汚い女は!?
まさか…
お前がこんな趣味だったとはな…。正直意外だったよ。」
男は腕を組み、私の姿を舐めるように見定める。
半蔵)「…先程、橋で身を投げた所を私がお助けしたまでです。名はお恋と申し、それ以外一切を覚えておらぬゆえ、不憫に思いお連れ致しました。」
「あの…一晩お世話になります。」
???)「なる程ね。お恋と言ったな。本当に何も覚えていないのか?」
男は険しい表情で私を見据える。
まるで私の真意を探るかのように。
その視線は突き刺さる。