戦国ライフ-もうひとつの空-



兄上)「どうじゃ。城は墜ちた。お前の場所はもう此処にはあるまい。わしと戻る気になったであろう?」


そう無邪気に笑う兄上に

私の背筋が凍る。



「こんな事をしてまで私を…?」


兄上)「はははは。わしにはお見通しじゃ。お前があの信長にかくまわれた事もな。」


わなわなと震えがとまらない私に

兄上はゆっくりと歩み寄り…

「そう言えば…あの小うるさい奴はいないのだな?お前、捨てられたのぉ。」



耳元でそう呟いた。




小うるさい?


それはきっと


時宗の事…。




“捨てられたのぉ”


兄上のその言葉が

正直胸の奥に突き刺さった。



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