戦国ライフ-もうひとつの空-
でも、本当に私は何も思い出せないんだ…
自分は一体何者で…
何処で生まれ、どのように暮らしていたのか…。
まるでスッポリと、私の一部が抜けてしまったみたい…。
半蔵)「まぁ、時(トキ)様。ここは一つ私に免じておいてやって下さいませ。私にはとても悪人とは思えませぬ。身を投げた身でおりますに、きっと何か事情があるのでしょう。」
言葉が詰まっていた私に代わって、助けてくれた彼がそう答えた。
"ん~~"と、男は唸りながら頭を乱暴に掻き乱す。
時様)「…仕方ねぇな。好きにしろ。」
「本当ですか?!有り難うございます!」
私は礼を伝えると、男に深々と頭を下げた。
こんな訳のわからない女を泊めるなんて…
普通じゃ有り得ない事だよね。
私は、本当に感謝の気持ちで胸が一杯だった。