戦国ライフ-もうひとつの空-
正直、行方知らずの姫なんか興味なかったからな。
死亡説が流れはじめていた頃、俺は偶然お恋と再会した。
そして、知ってしまった。お恋があの姫である事と、異常なまでに兄の忠平(タダヒラ)を怖がっている事を。
不振に思った俺は、買い物にアイツを連れ出すと、半蔵に忠平とお恋、そして、早川事件について調べさせた。
知ってどうするってンだ俺は。
面倒な事に首を突っ込めば、俺の素性も危うくなりかねない。
だけど。
例え記憶がなくても、自分らしく生きようとするアイツの姿を見てきて、俺の何かが少しずつ変わってきたんだと思う。
助けてやりたいと言うか、
力になりたいと言うか、
兎に角、放っておけなかった。