戦国ライフ-もうひとつの空-
―――――――…
忠平)「フフ、そうやってまた、わしからお恋を取り上げるのか?」
深傷をおったお恋を半蔵に託すと、火の海と化した城の一角で、忠平を見据える。
「アイツを死なせはしねぇ。」
忠平)「お前もお恋に惚れておるのか。だが、貴様にだけは死んでも渡さん!」
カキン!!
「く…!!」
乱暴に切りつけられた刃を素早く弾き返す。
忠平は大きく肩を揺らしながら、ゼーゼーと息を漏らしていた。
もう、此処ももたない。
もう、引き返せない。
それは、目の前にいる奴も同じだ。
「忠平、あんたは間違えを犯した。家来や両親をも手にかけ放火した。その罪は重い。例え、愛する妹の為…でもな。」
忠平)「最早、わしには済んだ事じゃ。お恋が傍に居てくれればそれで良い!お恋がわしの全てじゃ!」
くそ!何を言ってもダメなのか!
アイツはきっと、命を賭けて、たった一人の兄貴をとめたかったのかもしれないのに。
カキン!!
忠平)「どうした?!交わすだけでは勝ち目はないぞ?!」
「本当に、これっぽっちも詫びる心はないのか?!届かないのかよ!アイツの気持ちが!」
忠平)「何をごちゃごちゃと!」
ぐらぐらと、辺りを轟音が鳴り響く。
周りは炎に囲まれて、何も見えない。
出口も塞がれたんだろう。