戦国ライフ-もうひとつの空-
「え……?」
彼はニッと笑うと、まるで遠くを見るように空に視線を泳がす。
時宗)「俺も訳あって旅をしている。自分が何者なのか知る為…いや、存在価値を知る為ってとこだな。
ま。己を知らないってとこは何らお前と変わらない。」
「いえ…素敵だと思います。
私なんて真実に背いて逃げてるだけですから…。自分自身と向き合うって本当に大切な事だと思うし、凄いと思います。」
時宗)「フっ。お前変わってるな?」
真面目に言ったつもりなのに、何故か彼は笑って答えた。
朝になれば此処を出て、新しい生活が始まるんだ。
もう二度と、この人にも会う事は無いだろう。
翌朝。
私は二人にお礼を告げ、此処を出る。
そして、隣り街に何とか辿り着いた私は、住み込みで働き始めた。
これは、数ヶ月が過ぎたある日の出来事……。