戦国ライフ-もうひとつの空-


「え……?」


彼はニッと笑うと、まるで遠くを見るように空に視線を泳がす。


時宗)「俺も訳あって旅をしている。自分が何者なのか知る為…いや、存在価値を知る為ってとこだな。

ま。己を知らないってとこは何らお前と変わらない。」


「いえ…素敵だと思います。

私なんて真実に背いて逃げてるだけですから…。自分自身と向き合うって本当に大切な事だと思うし、凄いと思います。」


時宗)「フっ。お前変わってるな?」


真面目に言ったつもりなのに、何故か彼は笑って答えた。



朝になれば此処を出て、新しい生活が始まるんだ。


もう二度と、この人にも会う事は無いだろう。





翌朝。


私は二人にお礼を告げ、此処を出る。



そして、隣り街に何とか辿り着いた私は、住み込みで働き始めた。


これは、数ヶ月が過ぎたある日の出来事……。




< 9 / 64 >

この作品をシェア

pagetop